皆さんは「本のサナギ賞」という文学賞をご存知ですか?
文学賞といえば芥川賞や直木賞などが有名ですが、その他にも独自の選考基準や視点を持ったユニークな文学賞が沢山あるんです。
今回は「本のサナギ賞」のノミネート作品からおすすめの本を厳選して紹介したいと思います。

まだ手に取ってない作品があったら、ぜひ読んでみて下さい。
全国の本の虫が選ぶ「本のサナギ賞」
「本のサナギ賞」とは、「本の虫」である書店員が世の中にまだ出ていない「本のサナギ」を見つけ、ベストセラーという「蝶」に育て羽ばたかせたい、という思いから2014年に創設された文学賞です。
筋金入りの本好きによって選ばれた作品は、どれも個性的でエンターテイメント性が高く面白いものばかりです。
はるなつふゆと七福神
あらすじ
会社をクビになって途方に暮れていた榛名都冬のもとに突然現れたのは、七福神の老人コンビ、福禄寿と寿老人!知名度が低いことを嘆く二柱に、ネットでのPR活動を頼まれた都冬。「…お二人の名を広めることができたら、私の願い事も叶えて貰えますか?」そうして、都冬と神様たちの可笑しな共同生活が始まった!平凡なニート女子と個性的な神様たちのゆるぐだ日常ファンタジー。―全国の書店員が選んだ「世に出したい」新作!第1回本のサナギ賞優秀賞受賞作。
感想 おすすめ度
第1回優秀賞受賞作品。
序盤はゆったりと進むような印象でしたが、中盤からはアクションの要素もあってどんどん盛り上がっていく展開です。
人間味のあふれる神様に平凡ニート女子の主人公が振り回される笑って、ハラハラして、感動できるとても楽しい作品でした。
禁じられた遊び
あらすじ
伊原直人は、妻の美雪と息子の春翔と共に幸せな生活を送っていた。しかし、念願のマイホームを購入した矢先、美雪が交通事故に遭い、死亡してしまう。絶望する直人に対し、春翔は「ママを生き返らせる」と美雪の死体の指を庭に埋め、毎日熱心に祈りを捧げる。同じころ、フリーのビデオ記者、倉沢比呂子のまわりで奇怪な出来事が起こり始める…。第4回本のサナギ賞大賞作品。
感想 おすすめ度
第4回大賞受賞作品。
主人公の伊原直人がついた「トカゲのしっぽを埋めると再生する」という小さなウソから、次々と奇怪な出来事に繋がっていくホラー小説です。
愛情が狂気に変わる瞬間にゾッとしました。
ウンメイト
あらすじ
泣ける話は、もう飽きた。
出会いは最悪。難儀な性格。それでもボクらは離れない。もらす男となくす女の「運命のひと」探しがあなたのおなかをくすぐります。
通勤途中に猛烈な便意を感じた「ボク」は、間一髪、駅のトイレにかけこむ。しかし、扉が開くとそこには絶世の美女が眠っていた。酔っ払うと記憶を失くしてしまう破天荒な彼女、「ナタリー」に、ボクは「ゲーリー」というあだ名をつけられる。さらに「ワタシの運命のひとを探してほしい」と依頼され、その夜からナタリーいきつけのバー「おととい」で彼女の男漁りを見守ることになってしまう。しかし、彼女の前に現れるのは、変わった悩みを抱える男たちばかり。はたしてゲーリーは、ナタリーの「運命のひと」を見つけることができるのか・・・!
感想 おすすめ度
第2回大賞受賞作品。
重くない、くどくない、ひきずらない。ばーっと読めて、わーっと楽しめるそんな小説を目指した、という通りとても読みやすい作品です。
コメディなお話を想像していましたが、ドラマチックなストーリーでテンポもよくどんどん引き込まれていきました。小説をあまり読まないという人にもおすすめの一冊です。
ロンリー・プラネット
あらすじ
社会に息苦しさを感じつづけてきたエンジニア・桑田は、中高年独身者専用の集合住宅「ロンリー・プラネット」に駆り立てられるように入居する。ほしいものは全て手に入り、静かに、ささやかに一人暮らしを謳歌できる―。過去に殺人事件が起こった施設ではあるが、桑田にとって、ロンリー・プラネットの生活はまさに楽園に思えた。そんな中、ロンリー・プラネットで新たな事件が発生する。やがて、桑田はゆるやかに事件に巻き込まれ、やがて施設の真実を目の当たりにすることとなる。全国の書店員が選ぶ「本のサナギ賞」優秀賞受賞作!
感想 おすすめ度
第3回優秀賞受賞作品。
ココロを揺さぶる繋がりの物語。
やや読みづらさも感じる文章でしたが、なぜか引き込まれる不思議な魅力のある作品でした。
君のことを想う私の、わたしを愛するきみ。
あらすじ
人が愛するのは、肉体なのか。それとも、魂、心、精神なのか。28歳でこの世を去った井上彩乃は、100年後の未来で見ず知らずの女性「霧恵」の身体に魂を移植され、再び目覚める。最愛の夫と子供はすでに過去の人なった孤独な世界に絶望する彩乃。そのうえ、霧恵の夫である秀と生まれたばかりの霧恵の娘、梢と共に生きることを強いられるのだが―書店員が選んだ新世代の才能!第3回本のサナギ賞大賞受賞作。
感想 おすすめ度
第3回大賞受賞作品。
魂だけが失われる奇病が蔓延する2114年に、100年前の世界から「霧恵」の体に魂を移植された「彩乃」とその家族の物語です。
「彩乃」は自分の記憶はあるまま見ず知らずの人の体で他人の夫と生きていけるのか、また肉体は同じでも中身が異なる「霧恵」をその夫と子供は受け入れることができるのか、設定が魅力的なSF恋愛小説です。

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